こんにちは。和尚です。
昔テレビCMで「ウソ、おおげさ、まぎらわしい」というフレーズがありました。
サピエンス全史という本には、「人間が進化した決定的な原因は、『ウソ』をつくことができるようになったということである」と書かれています。
さて、今回はそのウソについてのご相談です。

第4回 嘘つきお母さん
私の母は昔から自分の名前を変えてみたり、有名お嬢様学校の出身と言ったりして、よく嘘をつきます。年齢のサバを読むなんて、朝飯前。
「実家にはお手伝いさんが何人もいて、立派な家の子やったんよ」とか、「有名人とお友達なの」などというホラを平気で他人に吹く母。
私は横にいてもペラペラとしゃべる母に腹立たしさを覚えます。どうすれば母の虚言癖を直せますか?
私の身近にもそんな方たくさんいます。そんな人は周りが自分に振り回しむいてほしいから嘘ばかり並べます。当然周りからは相手にされていないけれど、私はそこが面白いと思って、わざとその嘘にノッて遊びます。
例①
例②
ところで旦那さんみたことないんですが、なんか腕に『5』の番号が付いているってきいたことあるんですが・・・、それってどういうことですかね?」
なんておちょくって一緒に大笑い。
そうなると、どんどん相手も調子に乗ってきて、毎回楽しい会話のキャッチボールになるのです。それで周りも一緒になって和やかなムードになるのです。
さてお母さんで練習してみましょう。
①
「実家にはお手伝いさんが何人もいて、立派な家の子だったのよ。」
②
まあただ相手にもよりますから、あまりやりすぎず、人を見てやったほうがいいですがね。
なりきる
あなたのお母さんは別に周りに迷惑をかけるような悪い嘘をついているわけではないから可愛いもんですよ。毎回違う自分になりきって楽しみたいんです。
この「なりきる」ということが大切で、全然は一番肝心なこと。
禅宗では老師と呼ばれる偉いお坊さんについてついて、修行中に禅問答をやるわけですが、これがまた大変。「富士山を縄で縛ってこい!」だの「片手だけの音を出せ!」だのと、とんちんかんなことを次々と投げかけてくる。
普通は「何を意味の解らないことを言ってるんだろう??」となるのですが、ぐずぐずしていると棒でブッ叩かれて部屋から追い出される。それでまた頭で考えて答えを持っていくけれど、それもまたブッ叩かれて追い返されるという繰り返し。
「どないせーちゅうねん。もうどうなってももええわ!」
となった時にふと気づいたら頭であれこれ考える前に出てきた言葉や、体を使った表現を老師の前で無意識にする。
そうすると「うむ。今のは良かったぞ」と次の問答に移るのです。
お互いの呼吸が一体となる瞬間「あうんの呼吸」というやつです。
だから、あなたも本日のお母さんの娘になりきって一緒に遊んであげるのが一番。そして嘘つきなお母さんの話から、私には真実が見えました。それはあなたを立派な娘として育て上げられたってことです。

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