こんにちは。和尚です。
みなさんの中で動物好きだったらペットを飼っているおうちがたくさんあると思います。うちも先日ハムスターが家族の一員になり、生活の潤いの一つになりました。
さて今回は、このペットと家族についてのご相談です。

第5回 ペットとお墓に入りたい
最近、夫と息子に興味をなくしてしまいました。
なぜなら、彼らが先に離れていたからです。
今はペットの犬のメリーだけが心のよりどころです。私がなくなったら同じお墓に入りたいぐらいです。
私の家族はメリーですか?夫と息子ですか?
なるほど、気持はよくわかりましたが一つ大事なことがあります。それは仏教では人間とペットは同じお墓に入れないということ。仏教では生きる世界が6つ(天・人・修羅・餓鬼・畜生・地獄)に分かれているとされています。
メリーちゃんはいわば動物なので、畜生(ちくしょう)世界。この言葉は日本ではあまり良くない響きですが、メリーちゃんはかわいい畜生となります。
以前檀家さんのネコちゃんが亡くなり、お経を頼まれたときに、
「動物のためのお経ってあるんですか?」と聞かれ、
「畜生回向(ちくしょうえこう)を読みます」と言ったら
「うちのミーちゃんは畜生なんかではない!!なんてこと言うんだ!」
と怒られたことがありますが、ミーちゃんは立派な畜生なのです。

そしてそれぞれ世界が違うので、残念ながら一緒のお墓に入って弔うことができません。世のペット好きの皆様には大変耳が痛かったでしょうが、家族のように愛していることはわかります。
うちも昔ワンちゃんを飼っていましたからお気持ちはわかります。最後までしっかりとお世話をして、動物用の合祀墓でちゃんと供養しましたから、そういうご供養でなさるのが正しい方法とだけ申し上げておきましょう。

反省
さて、なぜ先に旦那と息子が離れたのかということが気になりまが、以前に相手があなたと心から話をしようとした時に、別のことに気を取られて真剣に向き合わなかったことはないですか?
例えばメリーちゃんのお世話があるからと言って、その場から離れたことなど。旦那さんたちもあなたに対して同じようなことしてしまっていることは大いにあるでしょう。
私も、奥さんや子供につれない態度をしてしまって、後になって申し訳なかったと反省した経験が何度もあります(反省)。あなたの言葉を見ていると、本心は寂しい、解り合って、家族みんなで仲良くしたいという思いが読み取れます。
このままメリーちゃんのことばかりに逃げ続け、旦那さんと息子さんをほっておくと取り返しのつかないことになります。
「覆水盆に返らず」
ここはもう一度お互いが信頼しあえる心を作っていくことをオススメ致します。

ありのままの心で
「流水無心にして落花を送る」
暖かい春の風に包まれながらお散歩。ふと小川を見てみると花びらがハラリと落ちて自然の流れに身を任せながら流れていく。
「ああ綺麗だなあ・・・」
花は咲き終えて自然と散り、川もただ、無心に流れているだけ。そこには何のはからいもない。この禅語は、そういった自然の無心な関係をみて、人間の関係もありのままが理想だという意味を教えてくれています。
人間生きていると損得勘定で動いてしまう時っていっぱいありますよね。それは「私の心が大事」という思いがあるから。この「自分が」という無意識に思うことを「無明」といいます。
「明」は世の中を正しく観る智慧のこと。それがこの自分が!という心によってねじ曲げられ、あーでもない、こーでもないと勝手に心苦しんでいる状態です。
じゃあ「無明」を消しなさいと言ったところですが、これを消すのはお釈迦さんでも苦労をなさったから厳しいので、まずは先ほどの禅語を思い出して心を整理してから、ありのままの思いを相手に伝えるのが良いでしょう。

話し合いになったら、大事なことは相手の思いを受け止めること。お互い言いたいことを言って喧嘩になったら、それはそれでかえってスッキリするもんですよ。過去を振り返り、楽しかったことや反省をしながら向き合いましょう。何も怖くない。だって家族ですから。
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オススメ本
お墓のことを考えたらこの1冊(第3版)
現在第3版まで更新されているお墓のガイドブック。法律をはじめ、管理や今後の継承問題、また民間霊園のことなどが具体的に書かれています。お墓について詳しく知りたい方にはオススメ。
家族のトリセツ
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外国では家族と離れるとイローゼになるという確率が高いという統計があるそうです。日本ではそういうならないような現代社会に思えますが。「トリセツシリーズ」の家族版。アフターコロナの家族の向き合い方などもおもしろい。著者のご家族を例に挙げているところに好感です。
心打つ内容の一文
「家族を甘やかす」
おいおいピータン!!
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「おいピータン‼︎」の続編。ほのぼのご夫婦に加えて猫のトラも登場!何気ない日常の出来事やアクシデントを面白おかしく紹介しています。マンガもかわいく、心が沈んでいるときに読むと、この家族の一員になった気分になって元気も出ます。
心打つ内容の一文
「大森(旦那)さんのどこがよかったんですか?」
「大ばんぶるまいしないとこ」