こんにちは。和尚です。
今回は非常に重い内容。しかも二重になって、もはやがんじがらめ。
この長いトンネルを抜けるには・・・

第6回 介護と不倫
私は10年近く1人で母の介護をしています。
ふと気がつけば40半ば。彼氏と別れ、妹も手伝ってくれず出会いもお見合いや合コンの誘いもなくなりました。
そして誰かにすがりたい気持ちでパート先の上司に相談をしているうちに、不倫の関係になってしまいました。
ダメなことは分かっているものの、介護の事を忘れて、1人女としての時間にひたっていたい。
いつまでもこんなことを続けていてはいけないと思うのですが、断つ勇気もなく、ズルズルと今に至っています。私はどうすればよいのでしょうか?
仏教では自利利他(じりりた)という言葉があり、物でも心でも一切の見返りを求めずに自然に他者に分け与える。その功徳が自分に廻ることを意味します。
でもあなたの場合、ちょっと自分を犠牲にしすぎな感じですね。お母さんはわが子が苦しむ姿を見てまで介護を望んではいないと思います。
相談できるのは妹さんだけですが、おそらくすべてあなたが面倒を見ていてくれているので甘えておられます。ひとりで頑張るのではなく、お互いに負担が偏らないよう家族同士でしっかりと話し合って、介護サービスを使うなど検討すべきです。
私の相談者の中には、お母さんの最低限の介護をすべて外部サービスにお任せし、ご自分の生活を崩さないように介護と生活のバランスをとっておられます。そうすると気持ちにも余裕ができ、ピリピリせず母と向き合えるとおっしゃっていました。
これついては各家庭の環境もあり、もちろん経済的なこともありますが、すべて自分が背負い込んでいることを分散していくようにしていきましょう。
中には「介護は絶対に家族が最後まで全部しなければならない」という考えもあり、実際にされている方は本当に素晴らしいです。
ただあなたのお話をお聞きする限りでは正直厳しいかと思います。ここは冷静になってご自分に合った介護方法を考えていきましょう。

踏み出す勇気
さて、お次は上司との関係についてですが、あなたは女性としての幸せを望んでいるのでそれを受け止めてくれる身近な男性を頼りにしてしまいました。
人間つらい時には誰でも抱きしめられたいもの。でも相手が妻子もちとなれば話は別。それは一時的な快楽でしかないのです。
その関係が壊れれば、あなたも相手の家族も、大きな傷を負うことになります。上司とあなたがしていることは自利利他、ではなく、自利のみです。あなたは心の中で分かっているはずです。
私は不倫で破滅した人を何人も見ています。もう一度言います。不倫は破滅です。
「百尺竿頭に一歩を進む」
(ひゃくしゃくかんとうにいっぽをすすむ)
これは自分の生きる道の中で、ある目標までの道順を、百尺(長い意味)の竿に例え、それを達成し更にその先を目指すために日々努力研鑽していこうという禅語です。
あなたの場合、竿の下にはたくさんの問題ばかりだけど、今こそその流れを断ち切る勇気をもって一歩進んではみませんか?
「十方刹土に全身を現ず」
(じっぽうせつどにぜんしんをげんず)
という続きの言葉があります。その苦労を越えて。会得した心で同じ境遇の人を助けられるような女性になってみませんか?そうすれば、自然とあなたに幸せが訪れるようになるでしょう。これが本当の自利利他の精神というものなのです。
最後にあなたがやるべきこと3つをお伝えします。
- 不倫をやめる
- 家族、妹と向き合い本気で相談する
- 空いた時間にやりたいことについて勉強する
あなたが幸せになる必須条件です。

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オススメ本
親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと
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こちら介護について的確に書かれています。とてもシビアですが、人間必ず老いがくるもの。備えあれば患いなし。年老いたご両親をお持ちの方々にオススメテキスト。
マンガで解決親の介護とお金が不安です
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こちらはマンガと文字でわかりやすく紹介しています。文字ばかりの教科書タイプが苦手な方にはぜひオススメです。
昼顔
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文学としては面白いですが、ドロドロ。衝撃のラスト!不倫の代償は大きいということですね。映画や本の中だけにしておいて、家族や身近な人を大切に。
心打つ内容の一文