
こんにちは。禅宗のお寺、潮音院和尚です。
たまに一杯ひっかけるときにつまみが欲しいわけですが、やはり自家製でやるほうが断然うまい!手間はかかるが、できたときの感動は他には味わえないもの。
家族の評価(ウチは娘2人、みんな燻製が大好き)はもちろん、友人にプレゼントすると大喜びされること間違いなし!「エー!燻製なんてできるの!?スゲー!」となります。(本人経験談)
まずは定番でいて奥が深く、燻製の王様ベーコンを燻製歴15年のわたくしが紹介いたします。
なんでも挑戦!頑張って作ってみましょう。

機材

燻製器
こちら「ビーバー」というメーカーを使っています。
重厚感たっぷりで少しクセがあります。わりと玄人向けですが、長年愛用しています。
初心者の方は安価のもので大丈夫です^^

電熱コンロ
真空パック機
「燻製は出来上がったらしばらく冷ましてからラップや真空パックして、冷凍させるのがよい。」
と言っていたので、どうせ人にあげるなら真空の方が見栄えもよい、ということで使用しています。

スモークチップ
さくら、ブナ、クルミ、リンゴ、ヒッコリーなどいろんな種類がありますが、それぞれ試したけれど一番さくらが自分に合っていたので、よく使用しています。
またスモークウッド(圧縮された四角いウッド)の場合は、火をつけて密閉するとすぐに消えてしまうので、使う場合には電熱コンロをつかいます。

ピチット(脱水シート)
塩抜きした肉をくるんで脱水させる超スグレモノ!
少々値は張るけど、これ一つでさらに手間が省けておいしい燻製ができます。
器具やウッドは値段や種類もあるので、自分に合ったものを選ぼう。
材料
- 豚バラ肉・・・・・・・1kg
- あら塩・・・・・・・・35g
- 三温糖・・・・・・・・10g(なければ普通の砂糖でもよい)
- オールスパイス・・・・適量
- ローリエ・・・・・・・1kgにつき1枚(塩漬けするときに使用)
- タイム・・・・・・・・適量
- コショウ・・・・・・・10g

塩は塩漬け用なので、高価なものは使わなくていいですよ。自分は大量に岩塩をネットで買っています。
私のこだわりは、陸のものには岩塩、海のものには伯方の塩なと、海山で塩を分けています。
塩は漬け込んだ後塩抜きするので、安価なものでよい。
仕込み1~塩を塗り込む~
塩漬け方法には2種類あります。
- 『湿塩法』(塩を溶かしたソミュール液に漬ける方法)
- 『乾塩法』(直接塩を塗り込む方法)
どちらでもよいですが、自分としては液に漬けるための入れ物とスペースがないので、②の塩を塗り込む方法で紹介します。

こうすることで、内部まで塩が浸透していきます。

これでもか!というぐらい、隙間もしっかりと塗り込んでください。

ここでローリエを入れてください。
ジプロックに入れるときどうしても空気が入ります。ここで大きなボウルに水を入れて、チャックの端だけ開けて、水に漬けながらゆっくりとジプロック内の空気を抜いていきましょう。
仕込み2~塩抜きと脱水~
肉ジプロックを毎日1回、うらがえしていくこと3日~7日。
しっかりと塩漬けされた肉を取り出します。
そこでこのままだと塩辛すぎるので、塩抜きします。

これは大体経験にもよるのですが、私は4時間ほど流水でさらしています。
ここで注意することは、流水を直接肉に当てないこと!このように外した位置で水をいれましょう。
味はその都度端を切って、焼いて味見をしてください。
私の経験では少し薄いぐらいがちょうどです。なぜなら脱水すると、塩が凝縮されていくから。
さて、脱水作業にかかります。

ピチット(脱水シート)
脱水シートがなければ、風通しの良い涼しいところで乾燥させてください。
・塩抜きはでは直接蛇口の水が肉に当たらないように。
・外で乾燥させる場合は、夏場や湿度の高いところは控えること。 腐食やカビによって肉がダメになります。あと動物にも注意😽

脱水が終了した肉。このまま熟成させるとパンチェッタになります。
この時に少し端を切って、フライパンで焼いて味を確かめても良いでしょう。
これから燻していきます。
仕込み3~燻製~
燻製方法は3種類あります。
- 冷燻(スモークサーモンなど)
- 温燻(ベーコン、チーズ、タマゴなど)
- 熱燻(ちくわ、ソーセージなど)
①冷燻は25度以下の低温で長時間の燻製。その間にほとんどの場合水分が抜けてでしまい、外はほんのり乾燥、中はしっとりと仕上がります。
日本の場合、高地を除いて冬くらいしかチャレンジできない燻製で、かなり上級者向。
②温燻は30~80℃の温度で食材を燻します。これは比較的に簡単で、だれでも上手にできます。燻製器についている温度計を見ながら、中身に火がじわっと通るようじっくりとやりましょう。
③熱燻は80℃から140℃の高温で食材を一気に燻します。加工物(市販のちくわやソーセージ、魚の一夜干しなど)と相性が良く、約20分程度の短時間でできます。アウトドアでもお手軽に。コンロを使いましょう。

この画像はスモークウッドを使っています。白いのはブロックチーズ。
②の温燻でやっていきますが、コツは最初にチップを入れず、燻製器の中で60度 1時間ほど肉に火を通しておきます。
それからチップとチーズをいれてください。(チーズは溶けやすいので、このタイミングで。自分は溶けたチーズでヤケドしたことがあります^^;へばりついてとんでもなく熱い!)

チップは1種類でもいいですが、紅茶や緑茶の葉を一緒に入れてもうひと風味を加えたり、ザラメを入れて照りを良くしたりもするとおもしろいです。
最初に60度で約1時間、肉に火を通す。それからチップを入れて約3時間。長時間チップを足し続けるとえぐみが強くなるので、お好みで付け足す量を調整してください。

たくわんとチーズ

ベーコンは以上です。ナッツやチーズなど、まずは身近なものから練習してみましょう^^
おさらい
- 肉をよく洗い、キッチンペーパーでよく拭く。フォークなどで穴を数箇所あける。
- 材料の塩、三温糖、スパイスを混ぜて、まんべんなく揉み込む。
- ジプロックに入れ、その中にローリエを入れて、冷蔵庫に3日~7日寝かせる。なるべく空気はいれないように、作業説明のように空気をぬいてから密封するとよい。1日おきに上下ひっくりかえすこと。
- 漬け込んだ肉を大きな鍋や容器に入れて、約4時間流水にさらし、塩抜きをする。肉に直接蛇口の水が当たらないようにすること。
- 脱水シート「ピチット」で包み、約3日脱水する。
- 網かごで干すときは気候の涼しい時期、風通しのよい日陰で約5時間風乾させる。
- スモーカーの温度を60度ほどにして、1時間ほど温熱乾燥する。
- あとは60~80度で3~4時間燻製する。
- 真空パック(なければラップでもよい)して一日冷蔵庫で寝かす。
わからないことがあればお気軽にメッセージください。
書籍とサイト
燻製に関する書籍やサイトを紹介
リンク
こちらはいつも勉強させていただいている『燻製職人服部』さんのYouTube。私はここの燻製器を愛用しています。