こんにちは。禅宗のお寺、潮音院和尚です。
昨今はコロナのためになかなか外にも出にくく、自由が利かない世の中であります。
この状況がはやく過ぎ去るよう、お参りにも行きたいところですがそうもいきません。
そこで、このブログで少しでも皆様の心が晴れますよう、御祈願も込めて紹介していこうと思います。
今回は潮音院の名物でもある、御朱印についてお話しようと思います。
御朱印とは?
現在は御朱印ブーム。シンプルなものから、きらびやかでかわいいデザインのものまで、各神社仏閣の個性が光る御朱印がたくさんあります。ステキな御朱印ばかりで集めたくなりますね。
しかし御朱印の本意をわすれてはいけません。
なぜ朱印?

『圓通殿』(えんつうでん)と読み、潮音院観音堂の名称です。
中には三十三体の観音様がお祀りされております。
潮音院は若狭観音霊場第28番の札所となっております。
このように、ほとんどは朱印が捺されています。
朱色は魔除けの意味もありますし、歴史上特に格式の高い色として使われました。
日本では室町時代から始まり、豊臣秀吉の時代に本格的に使われたのが朱印状。
「朱印船貿易」は耳にされたことがあると思います。
貿易するための海外渡航許状。大事な書面ですね。また、武将が部下に指令を出すときにもこの朱が使われていました。
神社仏閣では当然人々にとって、ご利益のあるしるしとして建物や道具、御朱印に、そして現在でも一般的に大切な契約の証として印鑑に使用されているわけです。


檀家様のご協力や、たくさんの御朱印やグッズを購入いただいたお浄財で、令和3年の秋に仏像修復が完了いたしました。偏に皆様のご尽力のおかげでございます。この場をお借りして心より感謝申し上げます。

本来は写経を納めた証
昔は病気や天災、戦争などの災いを治めるためには、祈ることでしかできませんでした。
仏教ではこれらの災いがなくなるように、当時の天皇陛下も般若心経をたくさん写経され、天下泰平を御祈願されました。
京都の嵯峨野にある大覚寺には、歴代の天皇が染筆された般若心経を納める、勅封心経殿(ちょくふうじんぎょうでん)という建物が現在でも残っております。
私は一時期、この大覚寺で華道をしていた時に、こちらの心経殿を拝見しました。
薬師如来像がお祀りされており、疫病の流行を止める御祈願をされた証拠ですね。
パート2につづく・・・