パート13
日本では2月15日、お釈迦さまが亡くなられた日と定め、「涅槃会」を行います。
お釈迦さまはお悟りを開かれてから約45年間、行脚(旅)をしながら仏法を広められました。最後はクシナガラというところで、沙羅双樹の下でお亡くなりになりました。
いくらお悟りを開かれたといっても、その45年間には様々なことがあったはずです。
誹謗中傷はもちろん、他宗教からの弾圧や、それによって弟子を亡くされたり、そして何よりも自分の国が滅ばされたことなど、決して平坦な道でありませんでした。
そんな悲しみと失望を繰り返しながら、心の安寧をものにするために、慈悲を持って人々に仏道を説かれたお釈迦さま。
涅槃会はそんな尊いお方の再度、感謝の心で行う法要でもあるのです。
御朱印やグッズは、直接お参りできない方々のために、しっかりとご祈祷をしてお送りさせていただいております。
※御朱印は基本月1回の更新です。在庫のある以外、過去のものは終了しておりますが、ご希望の方はお問い合わせください。



涅槃



令和4年2月の御朱印
涅槃
姿は私のように、右手を枕に頭は北向き、顔は西向きに寝そべった姿であらわします。この姿勢が一般の人が亡くなったときに言われる「北枕」の由縁です。
さて今回の御朱印に書かれている文字。
「一切衆生 悉有仏性(いっさいしゅじょう しつうぶっしょう)」
と読みます。
これは涅槃会に読まれる「涅槃経」というお経がありまして、そこで書かれている言葉。
「一切の衆生 悉く仏性有り」
つまりこの世界の生きとし生けるものにはすべて仏になるための可能性を秘めている、ということです。
じゃあ例えば、その辺に落ちているちり紙一つにも仏様の心があると思いますか?
でもこのちり紙に手を合わせた明恵上人というお坊さんがいました。
「あな(ああ)仏法領の物をそまつにするかや」
と言って合掌された。
「この広大無辺なる仏の世界に、何の役割も果たさぬまま、ただのちり紙となって落ちている・・・。なんともったいない。」ということを言われているのです。
静かな涅槃の境地。そこに染筆された汚れなき白銀の経文。有難き仏法の世界に、奇跡的に存在している私たち。