こんにちは。和尚です。
この度無事に潮音院の仏像修復が終わり、先日11月14日に「大般若」ならびに「開眼法要」を勤修させていただきました。
今年(令和3年)の2月から修復事業が始まり、檀家様をはじめたくさんの方々のお力をいただき、10月、すべての仏像45体が安置されました。
写真をみていただきながらご紹介いたします。
潮音院仏像修復
2度の火災を受け、頭部や肩は焼け跡による炭化。一度は修復されていましたが、長年の経年変化により傷み具合もひどい状態でした。
「本尊 延命地蔵菩薩」
当時の厳かな古さを残しながらの歴史を感じさせられるような修復技術。

修復者は木村光秀仏師様。真言宗の僧侶でもあらせられます。
(HPは画像をクリック!)
観音像は一体ずつ丁寧に修復され、金具や欠けた手足などもきれいに仕上げていただきました。
「善光寺如来」
立派な後背と脇仏は、200年位以上前からの姿を残しております。
観音堂は観音菩薩像33体と、5体の如来像が新たに美しく蘇りました。皆様にわかりやすくにお参りできますよう、もう一度吟味しながら配置いたしました。この若狭の地域でこれだけの観音像を安置しているのは潮音院だけ。
「開基 明極楚俊禅師」
南北朝時代の中国の渡来僧。当時活躍した楠木正成公にも法を説かれ、現在もお二人の位牌が修復安置されております。
寺紋は菊水で、この楠木正成公の神社である神戸の湊川神社と同じ紋となります。
「弘法大師 空海像」
814年、弘法大師が「般若林経書寺」というお寺を開き、潮音院の始まりとなりました。禅宗となったのは1322年、上の明極和尚から。
法具や数珠などが新調され、台座もカラフルに塗りなおされています。
「達磨大師」
言わずと知れた禅の初祖。丸いだるまさんをイメージされますが、こちらは人物の形。面壁9年の坐禅により、手足が無くなってしまうぐらいの厳しい修行から、あの丸いディフォルメされた姿になりました。くわしくはこちら
「大般若法要」
「大般若波羅蜜多経」と呼ばれる600巻の経本をパラパラと繰りながら僧侶一同、祈願を込めて行うご祈祷。主にお正月、この一年が平和になりますようお唱えするお経。
僧侶たちが「降伏一切大魔最勝成就(ごうぶくいっさいだいまさいしょうじょうじゅ)」と大声で唱えます。この言葉は「すべての悪をとり祓い、人々の願いを成就したまえ」という意味で、あらゆる神仏のご加護がありますよう、願いを込めて読みます。
今回は地域寺院の皆様をはじめ、木村仏師様も随喜いただき、5人の迫力ある転読となりました。
過去から未来へと続く祈りと思い。
ひとえに皆様のご尽力をいただき、この令和の時代から潮音院が未来に続いていく大きなご縁となりました。住職、檀家一同、心より感謝申し上げます。
どうぞこのすばらしいご縁を後世に伝え、皆様に仏法のご加護が降りそそぎますようご祈念いたします。
潮音院第二十世住職
鈴木元浩 拝