こんにちは。和尚です。
10月5日は達磨さんの命日と言われています。
今回はこの達磨さんについてお話いたします。

遊びや風習
達磨さんは日本でとてもなじみ深い存在です。
例えば「だるまさんが転んだ」という遊び。
最近NETFLIXで「イカゲーム」という恐怖のゲームに参加するドラマのなかに、このだるまさんが転んだがあります。韓国ドラマなのですが、向こうでもこの遊びがあるんですね。ハラハラして観てしまいます(笑)
それから「火だるま」「雪だるま」「血だるま」と、状態を形容させるのに使われたり、選挙で当選するときに目を入れたりします。
あの達磨人形の原型は約1400年前に中国でつくられ、室町時代に「起き上がり小法師」として日本に伝わり、江戸時代に達磨さんとしてデザインされたものが登場したといわれています。

倒しても何度でも起き上がる「七転び八起き」という言葉は、達磨さんの不屈の精神を意味しています。
目を入れる行為は諸説によると、約1800年頃、縁起物として赤いデザインの丸い達磨人形が売られており、店頭で目の位置が気に入らないというクレームがあったので、お客さんが自分で入れてもらうことから始まったそうです。
さらに願掛けをしてまず左目を入れ、願いが叶ったら右目を入れるという商法も当たったそうですね。
選挙ではこの風習を好み、当選の際には右目を入れて喜ぶという光景がいろんなところで報道されています。
それほど親しみある達磨さんとは、いったいどういう人だったのでしょうか。
おいたち

令和3年に修復が終わって美しく蘇り、奥の位牌堂に安置されているね。
そして毎年10月5日が「達磨忌」という法要をして、禅の発展と檀信徒の皆様への感謝の回向をします。
さて、この達磨さん、今から約1500年前に、南インドの香至国(こうしこく)という国の王族として生まれたんだよ。
ある日ハンニャタラという偉いお坊さんがこの3人に、王様にもらった宝玉を見せてこう質問しました。
「この宝に勝る宝はありますか?」
上のふたりのお兄さんはどちらも、
「王様に頂いたものだから、それ以上のものはありません。」
と答えました。
しかしボディタラの答えは違っていました。
「ほんとうにりっぱな宝だけど、火事や大水にあうと焼けたり流されたりしてしまうでしょう。大事にしまっていても泥棒に盗まれるかもしれません。それでは本当の宝ではないと思います。水も火も泥棒もどうすることもできないのが本当の宝だと思います」と。
これをきいてハンニャタラは驚きました。
「そんなりっぱな宝がどこにありますか?」
「はい、ここにあります」
とボディタラは自分の胸を指しました。そして右手でハンニャタラの胸を指していいました。「先生にもあります」
そうです。
宝物とは「こころ」のことだったのです。
でもなぜお坊さんになったの?
それから一生懸命修行して中国へ渡り、そこで梁の武帝という皇帝と逢うことになる。
無功徳
商船に乗ってインドから中国へ3年かかって渡った達磨さん。ここから有名な逸話が始まります。
「私は国中にお寺を建て、お経を書き写し、お坊さんたちを大切にしています。こんな私にどんなご利益がありますか?
達磨さんはひとこと。
「無功徳」
仏教とは見返りを求めず、清らかな心で行うことを説いたんだよ。
この内容は禅問答にもあるので、機会あればまた詳しく説明します。
自然とできるようになるのは相当の修行が必要だよ・・・
それだけ長い時間坐り続けたので手足が無くなり、あのまん丸いフォルムになったという逸話があるんだよ。
あのだるまさん人形にはそんな過酷な由来があったんだね。
あんなかわいい形になる背景には想像もできなかったよ。
しかしこの名声というものは、人々の嫉妬や妬みを買うことになる。
悲しいかな、叩かれたり、石を投げつけられたり、毒も盛られたそう・・・
しかしそんな状況でもひたすら黙々と坐禅をし続けたんだよ。
転んでもまた立ち直る。
まさに不屈の精神「七転八起」だね。
そういえばうちのキャラクターに「七転八倒みしょうくん」があるけど、これはのた打ち回るような苦しみを身代わりになってくれるキャラなので、この「七転八起」と混同しないように^^;
キーホルダーになっていますよ。
