こんにちは。和尚です。
こんな職業ですとたまに「人が亡くなったらどこにいくんですか?」と質問されます。
私は「死んだことないからわかりません・・・」とだけ答えますと、だいたいの人が納得されます。
まあ仏教の思想では輪廻という考えがあり、6つの世界「天・人間・修羅・餓鬼・畜生・地獄」という世界に生まれ変わると言われてますが、お坊さんである私も本当に生まれ変わっていくのか、正直証明できません。
しかし自分がここに存在しているのは、ご先祖様がおられたからという証明はできます。みなさんも同じですよね。
みなさんはご先祖さまとどのようにコミュニケーションをとっておられますか?
お家には仏壇、そしてお墓にと、ご先祖さまを確認できる場所はあります。
お仏壇に関してはご家庭にあるところが普通なのでよいのですが、お墓の管理が非常に難しくなってきている時代。
コミュニケーションのひとつである「お墓参りと管理」について、今日はお話いたします。

お墓の管理
お墓参りは盆や正月、お彼岸や祥月命日など、みなさんにとっていろんな日取りでされていると思います
潮音院ではほとんどの檀家さんは町内近辺におられますので、率先してお墓の管理をされているところが多いです。そして毎年4回の奉仕作業があり、みんなで境内墓地をキレイにしております。
境内は普段、住職が掃除をしておりますが、一人では行き届かない、例えば大木の処理や、溝の掃除などを皆さんと共にいたします。
しかし、遠方の檀家さんとなるとなかなかこちらに来ることが難しい・・・
たまに来られると、ご自分のお墓の荒れようにびっくりする方もいらっしゃいます。特に暖かくなる季節は、草花が勢いづいているので、
「この前はこんな汚くはなかったのに!」
と感じることがあるやもしれません。
管理不足だと思われるかもしれません。もちろん私は境内を管理させていただいておりますから、毎日お掃除をいたしております。
原則個々のお墓というのはご自分たちでキレイにしていくものです。

みんなのご先祖さま
私は朝のお経が終わると、異常がないか毎日境内を見て回るのですが、いつもお地蔵さんにはお線香が立てられています。
あるお婆さんは毎日のように自転車で来られ、ご自分のお墓はもちろん、そのまわりの草引きをされたり、またある方はお地蔵さんの花を新しく変えてくださったりと、見えないところで墓地を美しくされています。
一人一人がそうしてまわりをキレイにする心がけをすることこそ、御先祖さまを大切にするということなのです。
「自分の所が汚い。」
「管理をしてくれていない。」
と考えるのではなく、普段なかなかお墓参りができないからこそ、それ以上にまわりをキレイにする気持ち。そのお気持ちが広がり、自然と次に来た時にはだれかがキレイにしてくれているのです。
みんなのご先祖さまとして感謝の気持ちで大切にしましょうね。
しかしそれがわかっていてもできない事情や場合のお家があります。もし管理できない状態であるならば、まずは住職にご相談しましょう。そのために住職がいます。
