本から学ぶこと

人が集まるための大切なこと~「貞観政要」人材登用~

こんにちは。和尚です。

小・中・高時代には、生徒の中で学生代表を決め、学校側と共に協力してよりよい学生生活ができるように尽力する「生徒会」なるものがあります。

私の記憶では会長になる人は選挙によって決まる、いわば民主主義にのっとった形で行われていました。何人かの候補者は登壇し、必死にアピールしていたのを思い出します。

同じように政治でも社会でも組織というものは必ずトップ決め、中心に運営されます。良い組織や会社ほど優秀な人材がおり、幹部の方々は会長や社長に対してもしっかりと意見を言い、また組織全体が円滑になるよう気を配っています。

しかしそんな素晴らしい人材をどうやって集めるのか。これがトップの手腕となります。今回も「貞観政要」から、人材登用の術を紹介いたします。

嫌なことを言う人ってどんな人?~非難?それとも・・・。「貞観政要」をご紹介~こんにちは。和尚です。 私はそんなに本を読まない人なのですが、ブログをするようになって約3か月。 おかげでネタや興味が湧いて...

礼儀の大切さ

礼を尽くして相手にしたがえ謹んで教えを受ける。これなら自分より100倍優れた人材が参ります。

相手に敬意を表し、その意見にじっと耳を傾ける。これならば、自分よりも10倍優れた人材が集まってきます。

相手と対等に振る舞う。それでは自分と似たり寄ったりの人間しか集まってきません。

机にもたれ、杖を握って横目で指示をする。これでは子役人しか集まりません。

頭ごなしに怒鳴りつけ叱り飛ばす。これではもはや下僕のようなものしか集まってきません。

礼に尽くすことこそが人の心を掴む、最大の術であると書かれています。

 

私のお寺ではこんな話があります。

以前遠く離れた檀家さんのご相談で、跡取りもおられずお年も召されており、こちらまで来るのが難しいということで、永代供養をされたいと。

潮音院では永代供養塔も備えておりますのでしっかりと供養いたしました。

普通は永代供養をしたら、ほとんどの方はお寺にお任せしたということで安心され、お付き合いもここまでになります。

しかしその檀家さんは毎年盆と正月に、丁寧な感謝のお手紙を添えて必ずお供えを送ってこられます。

私はとても清々しい気持ちとなり、皆さんのためにいつでもお参りできるように境内掃除にいっそう力が入ります。

このように受けた恩や世話になった人、どんなに自分と合わない人でも、この礼儀だけは忘れてはいけないと教えられました。

そしてこうした礼儀を忘れない人のまわりにはたくさんの人が集まり、その人のために尽くしてくれるようになるのです。

みなさんのまわりでも人が集まる魅力的な人ってどんな感じでしょうか?きっとさりげなくこうした礼儀やおもてなしをしていると思います。

もうすぐお正月。

今はスマホなんかで新年の挨拶を済ますような時代ですが、年賀状という古来からの礼儀がありますね。まずはそこに一言気持ちを添えていただく。そのささやかな礼儀が相手の心に伝わることでしょう。