こんにちは。和尚です。
前回は戒名のしくみについてのご説明でした。では実際にどんな戒名があるのか。
今日は「有名人」の戒名をご紹介していきます。

誰の戒名でしょうか?
文献院古道漱石居士

みなさんの中には「漱石」はペンネームだと思っていた人いるんじゃないでしょうか?
前にも言ったように、この「漱石」の部分が法号と言って戒名の本体。
生前戒名で作家生活を送っていたということだね。
私の地元出身なんだ^^
どんな方かというと、鎌倉の円覚寺の管長を歴任され、日本人のお坊さんとして初めて欧米に「禅」を伝えた人なんだよ。
夏目漱石のお葬式もこのお坊さんが執り行ったといわれています。
茲唱院美空日和清大姉

答えは昭和の歌姫「美空ひばり」。
「茲唱院美空日和清大姉(じしょういん びくう にちわ せいだいし)」と読みます。
「日和(にちわ)」の法号は「ひより」とも読めるので、おそらく「ひばり」とかかっているのかもしれない。
「清大姉」なので、女性で位の高い位号。
彼女の歌声でどれだけの人々が和み、心救われたか・・・。
とても美しい、ぴったりの戒名だね。
立川雲黒斎家元勝手居士

完全にふざけているね。
わかる人にはわかると思いますが、答えは落語の大家「立川談志」
亡くなってからお寺にお墓をたてようとしたら「こんな戒名じゃ引き取れない」
と、そこのお坊さんに断られたそう。とんでもない逸話だね。
それで他の霊園で納骨され、墓標にはこの戒名が書かれているんだよ。
しかし亡くなってからも最後まで芸人魂を貫いたところはさすがというしかないよ!
東照大権現安国院殿徳蓮社崇誉道和大居士

こちら江戸時代を作った将軍、「徳川家康」
神を表す神号「東照大権現」
院号は国の平和と安泰を表す「安国院殿」
戒名本体の法号はというと「道和」の2文字。
すべての号の部分に最高位の文字が付けられている。
そして戒名としては日本一で、なんと19文字もあるんだよ!
神仏習合した、どちらも大切にしている戒名だね。
以上、有名人の戒名でしたが、他にもたくさん面白いのがあります。ぜひ調べてみてください。