こんにちは。和尚です。
2022年に入っても、未だコロナは全世界に影響を及ぼしております。今まで大切にしていた様々な集まりができず、人間関係の希薄に拍車をかけていくがごとく、コミュニケーションができない状況です。
そんな中、少しでも人々を繋ぐ試みとしてITが活発化しています。
会社の会議や勤務の在宅化、更には「ZOOM呑み」などと言われるような、家にいて離れた者同士とのコミュニケーションは、ここ2年ほどで急激に発達してきました。
その影響はお葬式や法事などにも必要視され始めてきております。
今日はそんな取り組みを率先して行われた方のご紹介をいたします。

お母様のお葬式
Iさんは以前、私が登録させていただいている僧侶クリニックというサイトで出会いました。
もちろんセッションはオンライン。月1回、約1時間程度ですが、内容は主にお母様のお話。
Iさんのお母様は大病を患い病床に伏され、在宅介護の状態でした。お元気な時にはご自分で会社を立ち上げ、顧客を親身になって大切になさる、今でいうキャリアウーマン。
Iさんはそんなお母様のお姿を見て、海外留学や経営哲学など様々なご勉強をされ、現在では健康推進事業や教育関係のお仕事に携わっておられます。
お母様の調子が悪くなるにつれて、介護の大変さや心の寂しさが募るばかり。以前のあのチャキチャキで元気なお母様のお姿は日に日に見られなくなっていく・・・。
いろいろな心の内を私にお話しいただいておりました。
しかしついにその時がやってきました。年は明け、1月中旬お別れの日。
献身的に尽くされたIさんはじめ、ご家族皆様の協力のもと、葬儀は行われました。
生前Iさんには、「お葬式はお母さんが亡くなってから、今までお世話になってきた人たちにお礼できない。だから代わりに残された家族がお礼をする儀式」とお伝えして参りました。

そこからIさんは心を切り替え、お母様が亡くなられるまで感謝のお気持ちを伝える工夫をご自分で、一生懸命考えてこられました。
そしてその工夫とは、お通夜とお葬式を離れた御親戚や知人に見ていただくこと。つまりオンラインで流されたのです。
結果は大成功!
遠方でお葬式を見られた方々は、お母様のご冥福をご家族と共に祈り、共有されたのでした。そしてIさんご家族の、皆さんに対する感謝が十分に伝わった瞬間でもありました。
後で「とても満足のいったお葬式ができました」とご報告を受けました。
葬儀場の方には「ここまでされる方ははじめてです」と言われたそうです。
以下のお写真はご承諾を得たものを掲載させていただいております。




このようにIさんの取り組みは素晴らしいものであります。
いまのご時世、ほとんどの施設にはネット環境があります。葬儀場も然り。最大限に活用する手立てです。
なんでもコロナのせいで簡略化や縮小や取りやめをするのではなく、工夫すれば人々の心は繋がる。
インターネットを活用することは、もう一度人間関係を見直す新たな鍵なのです。
「インターネットができない」「嫌いだ」「そんなものは信じられない」と敬遠するのではなく、まずはわからなくても触れていく。そして正しく使う。
それが現代の人々の心を救う、一つの大きな手段ではないでしょうか。
最後に
ここに紹介のお許しをいただいたIさんには心より感謝申し上げ、お母様のご冥福とこれからのご健康、ご多幸をご祈念申し上げます。
