こんにちは。和尚です。
雲水時代、托鉢をするときには必ずかぶる網代傘(あじろがさ)。時代劇なんか観ますと、お侍さんや町人も、様々なところでかぶっています。
つまりこの頭にかぶる傘は、旅や行脚(あんぎゃ)のお供というわけです。

現代にはない「傘をかぶる」という習慣に、昔の人たちはどんな思入れがあったのでしょうか・・・。
今日はそんな思いを、「旅立ち」にちなんでのお話をいたします。

時代に合うお葬式や法事を~工夫ひとつで心は繫がる~こんにちは。和尚です。
2022年に入っても、未だコロナは全世界に影響を及ぼしております。今まで大切にしていた様々な集まりができず...
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あじろがさ

笠は重し呉天の雪
鞋は香し楚地の花
禅宗のお葬式には故人の愛用していた遺品やお花、そして舟であの世へ渡してもらうための六文銭(今は紙に描かれている)などがあります。
戒名を授けられ、これから仏弟子となって旅立っていただく前に、装束や頭陀袋、杖を棺に入れます。
そして必ずあじろがさ(頭にかぶるかさ)と杖を添えます。
この句は、行脚の境涯(世界観)
笠に積もる雪の重さは背負ってきた人生
足下は一輪の美しい花のような思い出や出会い
笠も草鞋も自然も、この世界と全てひとつになる
一歩一歩と旅立ってくださいと、残された者たちの願いが込められているのです。

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