こんにちは。和尚です。
お経を読むときには必ず回向(えこう)という、功徳がこの世界に回るための文言をお唱えします。
その中に「上は四恩に報い」という一節があります。
恩はお経によってさまざまに解釈されていますが、「正法念処経」にはこの恩の一つに、「師長の恩」があります。
師長とは恩師、先生のこと。
恩師とは、今日の私の人間形成に大きな影響を与えてくださり、我々は感謝の念を持って回向するのです。
そんな私にとっての恩師をご紹介いたします。


佐々木閑先生
京都は花園大学、佐々木閑先生は仏教学者として長年教鞭を執っておられます。現在はコロナの影響で大学も縮小し、授業も思い通りにできない状態。
しかし先生はいち早くYouTubeに挑戦し、仏教の歴史や哲学、そしてお釈迦さまのことばなどをご講義され、300本以上の動画を上げておられます。とってもわかりやすく、そしてユニークで面白い先生。
口ひげは「夕陽のガンマン」でおなじみのスター「リー・ヴァン・クリーフ」(日本では昔のサントリーオールドのCMで有名)を彷彿とさせ、またそれが渋くてお似合いなのです。

リー・ヴァン・クリーフ

勝手にガンマン化させていただいた佐々木先生
そんな先生と私の出会いは、私が学生の時。当時の私はバイトに遊びにと、まったくと言っていいほど勉強しない典型的なバカ学生。
4回生となり、ゼミを取らなければならないということで、先生の「仏教哲学概論」を専攻しました。なぜなら「仏教哲学」という言葉にカッコよさと特別感がり、当時のミーハーだった私は、ただただその響きだけで選んだのでした。
しかし教室に入ると生徒はたった5人ほど。最初の授業を受けた瞬間、「これはエライところにきてしまった・・・」と直感しました。
5人というのは人気がないのではなく、厳しすぎるから。みんなついていけないのです。
時はすでに遅し。
それからというもの、恐怖と焦りの連発。できていなければ落雷。私も何度か首根っこを掴まれ、外へ放り出されたことも・・・。何もできないのでただひたすら気配を消して座ってるただけでした。
「コイツ全くやる気ないな・・・」と相手にもされなかった存在です(笑)
もちろん卒論は最悪。合格ラインちょうどの最低判定。先生に最後の恩情をいただき無事卒業させていただきました。
つづく・・・