こんにちは。和尚です。
先日の「洗心」に続き、どの建物でも一番きれいにしておくべき場所。
トイレ!
たくさんの立派な人達が口をそろえて必ず言うことはトイレを美しく保つこと。
禅宗では「東司」(とうす)と呼ばれています。それはもう、どの僧堂にいってもピッカピカ。

昔「雪竇」(せっちょう)という偉いお坊さんがいました。
いつもトイレ掃除ばかりしていたので、「雪竇が隠れているぞ!」ということで「雪隠」(せっちん)、つまりお便所を意味する言葉となった由来があるそうです。
さてそのトイレにはいったい何があるのでしょうか・・・

うすさま明王
「烏枢瑟摩(うすさま)」は五大明王の一尊。火の神として信仰されています。
真言は「オン クロダナウ ウンジャクソワカ」
明王ですので、背中には炎をまとい、憤怒のお顔。この炎によって悪しき邪鬼や汚れを燃やしまくるというとてつもない神様。
元はインドの神様「アグニ」であるとも言われています。
「うすさま明王」は大変きれい好き!トイレはとても汚い場所。そこにおられることは、常に不浄なるものを焼いてくれているのです。
だからこそ、汚いままにしておくと今度はあなたの汚い心を、恐ろしいお顔で焼きに来ます!
掃除をするときには自分の不浄な心を洗い流すイメージでピカピカに磨きましょう!

トイレの神様
こんなお話もあります。
人が家に住むことになると同時に、家のあらゆる場所にも神様が御住みになられます。
早い者勝ちなので、到着順にそれぞれ一番良い場所から住まれます。リビングや寝室など、人が楽しくいる場所ほど、神様にとっても人気の高い場所。
そしてだんだんと部屋が埋まっていき、最後一番人気のない場所。
そこは「トイレ」
足の遅い神様のご到着です。
ん?どんくさい神様なのかな?と思いきや、なんと足の遅いのには理由があります。
それは重い荷物を持っているから。
この重い荷物、なんと「宝物」がびっしり!
だからトイレをきれいにすると、神様も大喜び!あなたに必ず幸せを分け与えてくださるのというわけです!
これでトイレ掃除の重要さがご理解いただけたかと思いますが、一つ気を付けなければならないこと。
それは「欲」や「恨み」を持って掃除をしないこと!
「お金ちょうだい」や「あの人嫌いだからなんとかして」など、邪な心ではいけません。
そこに注意してしっかりとピカピカにしましょう。