こんにちは。和尚です。
禅宗のお葬式
「かあああっつ!!!」
と、和尚の大声でビックリされた方が何人かいらっしゃるのではないでしょうか?
理性と肉体、つまりこの世の執着を離れるための引導。
これがお葬式の「喝」なのです。
今日はこの「喝」についてのご説明。

4種類の「喝」
「喝」は、言葉を離れた禅の境涯を一言で表したもの。
始まりは中国、馬祖道一(ばそどういつ)禅師から始まり、臨済義玄(りんざいぎげん)禅師が修行者の指導の一つとして大いに活用されました。
臨済禅師が用いた「喝」は4種類。
「四喝」とよばれております。
①金剛王宝剣(こんごうおうほうけん)の喝
②踞地金毛(こじきんもう)の獅子の喝
③探竿影草(たんかんようぞう)の喝
④一喝の用を作(な)さぬ喝

①金剛王宝剣(こんごうおうほうけん)の喝
この世の執着や誘惑、あれこれ迷う心を一刀両断するダイヤモンド剣、最強の剣「エクスカリバー」のような喝。これでスパッと切られれば、悪しき迷いも吹っ切れる。
②踞地金毛(こじきんもう)の獅子の喝
百十の王、黄金の獅子が吠えれば、まわりの生き物はすべて黙り込む。獅子はいつもスキがなく身構えており、どんな時でも目を光らせている。
③探竿影草(たんかんようぞう)の喝
草むらに隠れた小さなものでも禅の竿で探し当てる。「今日は天気が悪いから、郵便配達さんは困っていらっしゃる」と思いを馳せ、そこから慈悲が生まれる。腹の底を見破るがごとくの喝。
④一喝の用を作(な)さぬ喝
上3つの喝を忘れ、すべてを包括した喝。この喝にはまったく理性や考えがない。これを体得することは、縦横無尽にこの世界を闊歩することになるのである。
いかがだったでしょうか。
どれも神聖であって、時には恐ろしい作用。しかし決して相手を恐怖に落とし込むようなものではありません。あなたを叱咤激励し、迷いなき人生の後押し。
これが本当の「喝」の意味なのです。