こんにちは。和尚です。
前回は「喝」には4種類あるというお話をいたしました。
そこで今回はその喝にまつわる有名なエピソードをご紹介いたします。

喝~その数は4種類~こんにちは。和尚です。
禅宗のお葬式
「かあああっつ!!!」
と、和尚の大声でビックリされた方が何人かいらっしゃるので...
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あなたはどの喝を吐かれたのか
明治時代、京都妙心寺の管長であられた蘆匡道(あしきょどう)老師。若くして師匠を亡くし、大阪の少林寺というお寺の住職となります。
ある日檀家さんであるお医者さんの娘さんが亡くなられ、葬儀の導師を頼まれました。
生来真面目な性格故、ちゃんと法式(作法に則ったこと)に遵い、お経を読んで「喝」と引導されました。
それから次の日、お布施を持ってこられた主人はこう問いました。
「臨済には四喝というものがあると聞いていますが、昨日の喝はいったいどの喝を吐かれたのでしょうか?」
匡道和尚は答えに詰まってしまいました。
その姿を見て主人は落胆し、
「こんな坊主に引導渡してもらった娘は不憫でならない。」
と言い放ったのでした。
諫められた匡道和尚は一念発起し、京都の八幡円福寺の海山和尚に参禅を決意。
なんと毎日大阪から京都まで、雨の日も風の日も雪の日も、1日も欠かすことなく40キロの道のりを14年間毎日歩いて通われたそうです。
そうして公案が通り、印可(悟りの書)をもってその檀家の主人にご挨拶されました。主人は涙を流して喜ばれ、今まで以上に和尚を丁重にもてなされたそうです。
頭で考えた「喝」ではなく、すべてを内包する「喝」
それはもう「喝」を超えた世界のお話。

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