こんにちは。禅宗のお寺、潮音院和尚です。
テーラワーダの風・番外編②
任侠道世界に残る仏教用語!



布薩堂の造り
前回の番外編では戒律について、この布薩堂が大変重要な建物だということをお話したね。

この場所がどうしてあの世界と関係があるの?
まさか任侠世界にも盃交わしている大事な場面とかがあるから、その場所が布薩堂とか??
じゃあこの写真をみてみよう。
お坊さんではなく、建物の造りをよく観察してみて。

じゃあ床から下の造りを見てみて。
湿らないように通気性を良くしているってことなのかな?
ますますわかんない^^;
サンガ
布薩(懺悔)とは、ちゃんと仏の教えを守っているかという確認の儀式だよ。
仏教は大きくなるにつれてたくさんの人たちが出家してお坊さんになった。
何人か(律では4人以上とされている)が集まってサンガ(僧団)生活を送ることになり始めたんだけど、インドにお坊さんたちが散らばっている状態で仏教がしっかりと守られているか確認しようと思ったら全員同じ場所に集まれないよね。
だから布薩堂は仏教の戒律を守りながらその地域で生活できるよう、重要事項などの決定するためにそれぞれ個別のサンガに造られたんだ。

パーティモッカ(波羅提木叉 はらだいもくしゃ)。お坊さんが守るべき戒が書かれている書。これをみんなで読んで、月2回の布薩(懺悔会)を行う。
シーマ
たとえばAサンガがあって、Bサンガが近くにやってきました。
懺悔会をAサンガでするんだけどけど、布薩堂はAもBもある。
さあどっちでする?
ブーブー!
そんなの2回も同じことしなきゃいけないでしょ。
答えは別々でする。
例えば臨済宗で言えば、相国寺と天龍寺を一緒にできるかな?ってことなんだよ。
そこでそれぞれのサンガを特定独立させるために、布薩堂を拠点とさせたんだ。
そしてAサンガ、Bサンガの布薩堂は独立しているから重ねることはできない。
つまり縄張りをつくることで、お互いに別々で行動できるようにした。
その縄張りの中心こそが結界なんだ。
それで最初の話、任侠世界と関係あるの?
結界ってなんかゲームとかおとぎ話の話みたいだよね。
結界はむこうの言葉でシーマっていうんだ。
この響きこそ、任侠世界の人たちによく使われている言葉なんだよ!
「おいワレ!うちのシマ荒らしやがって! 」
のシマ。

つまりみんなは島(island)と勘違いしてたんだと思うんだけど、彼らは結界のことを指して言っているんだよ!
直訳すると
「ねーキミ、ボクの結界を荒らしてしまっているね 」
てことだね^^
で布薩堂の床下。
説明すると、結界石を置いて、その中にお堀を造って、その上にお堂が建てられているんだよ。
つまりお堂は結界(縄張り)の中ってわけさ^^
なんだか頭の中で仁義なき音楽が流れてきたよ・・・
今度托鉢で違うお寺のお坊さんに出会ったときは、「ウチのシーマ、荒らさないでもらえませんか?」
といってみるよ(笑)
このお話のほかにも、いろんなところで仏教用語が使われています。それはまた次の機会に^^